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弱肉強食

昨日、講談社から週間・世界遺産(ンゴロンゴロ自然保護区、セレンゲティ国立公園)が送られてきた。

私が写真の一部を提供しているためだ。

この中でも弱肉強食という言葉がよく使われている。

この言葉は世間では知れ渡っており、サバンナ=弱肉強食と思っている人がほとんどである。

しかし、私はこの言葉をなくしたいと思っている。

これは一見正しそうにみえるが、ものの本質を捉えていないからである。

私が考えるサバンナの掟を書くことにする。

(今書いているサトルエネルギー学会の原稿から抜粋)

サバンナを例に、自然界の生死、すなわち掟について考えてみる。例としてあげるのはヌーとライオンの関係である。

ヌーは雨が降ると、そこから新しい草が芽吹き,飲み水が確保できるので,その草と水を求めて大移動する。干ばつでない限り草はあり、草があればヌーたちは生きていける。セレンゲティ・マサイマラの大平原には百数十万頭以上のヌーがいて,毎年20~30万頭の子供を生み,弱い個体を中心にほぼ同数が死んでいく。死の原因は他の動物、とくにライオンやハイエナなどに食べられことが多い。種の中で弱い個体が死に、能力のある強いものが生き延びていき,強い遺伝子のみが残っていく。

それに対し、ライオンはこの大草原にいるのが数千頭で,その子どもたちの20~30%が餓死すると言われている。その理由は、ライオンにとって獲物を狩ることがとても難しいからである。「ライオンは百獣の王で強い」と言われているが、実際狩りは上手くない。基本的に狩りが上手く強い個体がいる群れは生き残っていくが,狩りが下手な群れに育てられた子供たちは餓死するために、その遺伝子は途絶えていく。そうやってライオンも強い遺伝子のみが残っていく。

このような関係のなかで、ライオンもヌーも数はほぼ一定を保っている。

喰ったり喰われたりしている関係を従来、弱肉強食と言っていたが,広い視野で見ると、そこにあるのは強い・弱いの関係ではなく、種としてはお互いに強くなりながら、共生の関係を保っていくことである。このように決して強くない捕食者と、決して弱くない非食者,この両者がお互いに共生している関係がサバンナの掟である。これは別にライオンとヌーだけの関係ではない。すべての生き物にあてはまる自然の掟であり、宇宙の法則でもある。

この関係を自らの欲のために壊し続けている人間。

われわれが今後進む方向性を明確にするためにも、自然の掟は弱肉強食ではなく、共生なのだ、ということを強調したい。