· 

『エンデュアランス号漂流』を読んで

『エンデュアランス号漂流』を読んだ。

熊に襲われて急逝した写真家・星野道夫の著作の中で出てきたこの物語を一度読んで見たいと思っていた。

彼は極寒のアラスカで撮影中、くじけそうになるとこの本を開いて、勇気を奮い起こしていたらしい。

読んでみて、とにかく驚きの連続だった。

これは実話であるが、こんなことが起こりうるのだろうか。

南極近海で約1年半小さなボートで漂流という過酷な状況にも関わらず、28人全員が奇跡の生還をとげる物語である。

淡々と書かれているが、その内容はあまりにも過酷すぎて想像することが難しい。

おそらく自分なら精神的にも肉体的にも1週間ともたないだろう。

そんな状況で、生き延びる生命の偉大さ。

隊長シャクルトンの勇気と決断力、そして隊員たちの強靭な精神力と肉体。

あまりにも偉大で同じ人間とは思えない。

あまりにも清潔で物に溢れたがゆえに、肉体的にも精神的にも弱くなってしまった現代人に読ませたい本だ。

横浜市内のある小学校から、出張授業を頼まれた。

1~2年生が対象と聞き、「難しいです」とお答えした。

1~2年生は僕にとっては宇宙人。

どこまで分かるかまったく想像できないからだ。

ふだん小学校で出張授業を頼まれるときは、5~6年を対象に自然界のバランスをするが、それは難しすぎるだろう。

しかし、担任の先生の熱意に動かされ、受けることになった。

テーマは動物親子と群れの話。

チーター、ライオン、ヌー、ゾウの親子のエピソードや群れでの生活をスライドで紹介しながら30分の授業をおこなったが、2年生はテレビの影響なのか、動物好きの先生が普段教えているのか、その知識にびっくりした。

ほとんどの質問に答えるではないか・・・・。

みな熱心に聞いてくれたので、多少は役だったのではないか、と思っている。

終了後、1年生のエスコートで教室に行き、子どもたちが全員で僕のために劇を演じてくれた。

素晴らしい出来にちょと感動。

でも、さらに感動したのは先生の熱意だった。

実はこの学校は廃校になるらしい。

その記念に子どもたちのために何かをしたいという先生の熱い思いに胸が熱くなった。

12月には校庭に移動動物園を呼ぶらしい。