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父のコレクション

亡父のコレクションであった昆虫(蝶が主体)の標本が、小田原にある

神奈川県立 生命の星・地球博物館に収蔵された。

今日は博物館に行き、館内の様子、父の標本の管理状態などを

見学させてもらった。

担当のかたの話しだと、父のコレクション、特に蝶は、種別に系統的に

集められており、またきちんと学名が記載されていて、とても貴重なもの

だとのこと。

本人は生前「なんとなく集めただけだ」と謙遜していたが、

相当のものらしい。

それを聞いて嬉しかった。

父の蝶にかける情熱を、家族は継げなかったが、その成果はすぐれた施設で

きちんと保管・管理され、多くの人の目にふれることになった。

父の想いが世紀を超えてつながっていったことをうれしく思っている。

いずれは「井上武一郎・作品展」ということで、企画展示を

おこなう予定だとのこと。

今から楽しみだ。

子どもの時はよく父と昆虫採集に出かけた。

これは、僕が自然に親しむようになった原点になっている。

大学に入った頃は、忙しい父の代理で、沖縄、北海道、東南アジアに

蝶の採集にいったものだ。

父は晩年、春から秋まで日曜日になると八ヶ岳や奥多摩になどに

採集に行くのを楽しみにしていた。

僕の写真と同じように、父もつらいことがあった時には、

蝶の採集計画をたてたり、標本を眺めることで癒されていたのだろう。

横浜市内のある小学校から、出張授業を頼まれた。

1~2年生が対象と聞き、「難しいです」とお答えした。

1~2年生は僕にとっては宇宙人。

どこまで分かるかまったく想像できないからだ。

ふだん小学校で出張授業を頼まれるときは、5~6年を対象に自然界のバランスをするが、それは難しすぎるだろう。

しかし、担任の先生の熱意に動かされ、受けることになった。

テーマは動物親子と群れの話。

チーター、ライオン、ヌー、ゾウの親子のエピソードや群れでの生活をスライドで紹介しながら30分の授業をおこなったが、2年生はテレビの影響なのか、動物好きの先生が普段教えているのか、その知識にびっくりした。

ほとんどの質問に答えるではないか・・・・。

みな熱心に聞いてくれたので、多少は役だったのではないか、と思っている。

終了後、1年生のエスコートで教室に行き、子どもたちが全員で僕のために劇を演じてくれた。

素晴らしい出来にちょと感動。

でも、さらに感動したのは先生の熱意だった。

実はこの学校は廃校になるらしい。

その記念に子どもたちのために何かをしたいという先生の熱い思いに胸が熱くなった。

12月には校庭に移動動物園を呼ぶらしい。