中坊公平の「罪なくして罰せず」を読んだ。
落ちこぼれで劣等性だった中坊さんが、弁護士になり、難事件や難局を依頼人の気持ちになって戦い抜くさまは痛快だ。
中坊さんは、つねに現場に立ってものを言うから説得力がある。
また、弱い人だったからこそ弱者の気持ちがよくわかり、その人の気持ちになって戦っていくから強いのだ。
最後は、暴力団や大蔵省とも真っ向から戦って、勝ってしまう。
「はじめから強い人はいない。はじめから強そうな人は鈍感な人か虚勢をはっている人。弱い人が強くなっていくのが本物である」と僕がいつも思っている。
弱いから弱者の気持ちがわかる。
「想い」や「信念」があるから強くなっていける。
中坊さんは、奥さんがいないと何もできず、夜も一人で眠れないそうだ。
そして、自分が弱いと平気で言う。
弱い弱いと言いながら、一見強そうなものを次から次に打ち破っていく。
現代のヒーローだ。
昔の偶像化されたヒーローなど偽者だ。
「強い信念がある弱い人」こそ本当のヒーローになりうる人だと思う。