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現代のヒーロー

中坊公平の「罪なくして罰せず」を読んだ。

落ちこぼれで劣等性だった中坊さんが、弁護士になり、難事件や難局を依頼人の気持ちになって戦い抜くさまは痛快だ。

中坊さんは、つねに現場に立ってものを言うから説得力がある。

また、弱い人だったからこそ弱者の気持ちがよくわかり、その人の気持ちになって戦っていくから強いのだ。

最後は、暴力団や大蔵省とも真っ向から戦って、勝ってしまう。

「はじめから強い人はいない。はじめから強そうな人は鈍感な人か虚勢をはっている人。弱い人が強くなっていくのが本物である」と僕がいつも思っている。

弱いから弱者の気持ちがわかる。

「想い」や「信念」があるから強くなっていける。

中坊さんは、奥さんがいないと何もできず、夜も一人で眠れないそうだ。

そして、自分が弱いと平気で言う。

弱い弱いと言いながら、一見強そうなものを次から次に打ち破っていく。

現代のヒーローだ。

昔の偶像化されたヒーローなど偽者だ。

「強い信念がある弱い人」こそ本当のヒーローになりうる人だと思う。

 

横浜市内のある小学校から、出張授業を頼まれた。

1~2年生が対象と聞き、「難しいです」とお答えした。

1~2年生は僕にとっては宇宙人。

どこまで分かるかまったく想像できないからだ。

ふだん小学校で出張授業を頼まれるときは、5~6年を対象に自然界のバランスをするが、それは難しすぎるだろう。

しかし、担任の先生の熱意に動かされ、受けることになった。

テーマは動物親子と群れの話。

チーター、ライオン、ヌー、ゾウの親子のエピソードや群れでの生活をスライドで紹介しながら30分の授業をおこなったが、2年生はテレビの影響なのか、動物好きの先生が普段教えているのか、その知識にびっくりした。

ほとんどの質問に答えるではないか・・・・。

みな熱心に聞いてくれたので、多少は役だったのではないか、と思っている。

終了後、1年生のエスコートで教室に行き、子どもたちが全員で僕のために劇を演じてくれた。

素晴らしい出来にちょと感動。

でも、さらに感動したのは先生の熱意だった。

実はこの学校は廃校になるらしい。

その記念に子どもたちのために何かをしたいという先生の熱い思いに胸が熱くなった。

12月には校庭に移動動物園を呼ぶらしい。