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治療目標

僕が診ている患者さんで医療関係に進む人が時々いる。

うれしいことである。

なぜなら、そういう人達は患者さんの苦しみがわかり、良いケアが出来るからだ。

僕が免疫が関与した難病(治らないわけではない)の患者さんたちに言う言葉がある。

それは、治療目標の1番目は社会復帰、そして最終目標は「この病気になってよかった」と思えるようにすること。

社会復帰という目標を持つことは、希望を持つことにつながり、闘病には大切なこと。

病気が良くなっても、社会復帰が出来なければ、治療としては成功とは言えない。

しかし、多くの医者は「難病です。一生の病気です」と平気で言う。

これでは、治るものも治らなくなる。

僕は、病気を治すだけでなく、その過程で、自分の心と身体と魂について知ってほしいと願っている。

多くの人が自分を愛していないのだ。

それがストレスの大きな原因となり、発症や難治性の原因になっている

自分の心と身体と魂を知る過程で、病気になった意味を理解し、自分自身を理解し、認め、愛せるようになる。

様々な意味がわかるようになってくると、自分の存在を肯定的にとらえ、自分自身を愛せるようになってくる。

病気とは、「自分自身をを知る機会が与えらた」ことを意味している。

それに気付き、自分を愛せるようになると、病気自体の勢いが弱まり、やがて治癒に向かう場合が多い。

その時、「病気になって良かった」と思えるようになる。

そういう人は、自分の経験を生かすために医療関係の仕事につくようになる。

人を癒すことは、自分自身をもっとも癒すことになるから、さらに良い循環に入っていくようだ。

先日も、患者さんの一人が「癒しの医療」に従事することになったというメールをくれた。

横浜市内のある小学校から、出張授業を頼まれた。

1~2年生が対象と聞き、「難しいです」とお答えした。

1~2年生は僕にとっては宇宙人。

どこまで分かるかまったく想像できないからだ。

ふだん小学校で出張授業を頼まれるときは、5~6年を対象に自然界のバランスをするが、それは難しすぎるだろう。

しかし、担任の先生の熱意に動かされ、受けることになった。

テーマは動物親子と群れの話。

チーター、ライオン、ヌー、ゾウの親子のエピソードや群れでの生活をスライドで紹介しながら30分の授業をおこなったが、2年生はテレビの影響なのか、動物好きの先生が普段教えているのか、その知識にびっくりした。

ほとんどの質問に答えるではないか・・・・。

みな熱心に聞いてくれたので、多少は役だったのではないか、と思っている。

終了後、1年生のエスコートで教室に行き、子どもたちが全員で僕のために劇を演じてくれた。

素晴らしい出来にちょと感動。

でも、さらに感動したのは先生の熱意だった。

実はこの学校は廃校になるらしい。

その記念に子どもたちのために何かをしたいという先生の熱い思いに胸が熱くなった。

12月には校庭に移動動物園を呼ぶらしい。