僕が診ている患者さんで医療関係に進む人が時々いる。
うれしいことである。
なぜなら、そういう人達は患者さんの苦しみがわかり、良いケアが出来るからだ。
僕が免疫が関与した難病(治らないわけではない)の患者さんたちに言う言葉がある。
それは、治療目標の1番目は社会復帰、そして最終目標は「この病気になってよかった」と思えるようにすること。
社会復帰という目標を持つことは、希望を持つことにつながり、闘病には大切なこと。
病気が良くなっても、社会復帰が出来なければ、治療としては成功とは言えない。
しかし、多くの医者は「難病です。一生の病気です」と平気で言う。
これでは、治るものも治らなくなる。
僕は、病気を治すだけでなく、その過程で、自分の心と身体と魂について知ってほしいと願っている。
多くの人が自分を愛していないのだ。
それがストレスの大きな原因となり、発症や難治性の原因になっている
自分の心と身体と魂を知る過程で、病気になった意味を理解し、自分自身を理解し、認め、愛せるようになる。
様々な意味がわかるようになってくると、自分の存在を肯定的にとらえ、自分自身を愛せるようになってくる。
病気とは、「自分自身をを知る機会が与えらた」ことを意味している。
それに気付き、自分を愛せるようになると、病気自体の勢いが弱まり、やがて治癒に向かう場合が多い。
その時、「病気になって良かった」と思えるようになる。
そういう人は、自分の経験を生かすために医療関係の仕事につくようになる。
人を癒すことは、自分自身をもっとも癒すことになるから、さらに良い循環に入っていくようだ。
先日も、患者さんの一人が「癒しの医療」に従事することになったというメールをくれた。