中村 哲という医師に注目していた。
1ヶ月ほど前の朝日新聞に、彼が国会でアフガンの事情を説明した際に、「日本はアメリカを支援すべきでない」と言った、と書かれていた。
その時、ある国会議員から「その言葉を撤回しろ」と言われたが、彼は撤回しなかった、との記事が載っていた。
「何という骨のある人だろうか」と思い、注目していたのである。
その後、彼の講演会があるとの記事を見たが、いずれも勤務時間内で行けなかった。
今日、教育テレビの「こころの時代」で彼の講演と解説委員との対談の様子が放映された。
話しを聞いていて、彼の言葉ひとつひとつがすべて経験に基づく「真実の声」であると感じた。
また、強さも弱さもすべて受け止める彼の人間性に本当の愛を感じた。
彼の医療スタッフには何人も人を殺したゲリラがいる。
戦いであっても、人を殺せばその人は必ず苦しむ。
彼はその行為に対して、責めたり、同情したりしない。
そのような人に対して、医療活動に参加させ「人を救うこと」で希望を与えようとしている。
なんとすばらしい愛の行為だろうか。
彼は、深い愛と慈悲の心、共感する心を持っている。
彼はアフガンで、医療活動だけではなく、住民のために井戸掘りもやっている。
医療活動の前に、旱魃に苦しむアフガンの民に「生命の水」を与える必要があるからだ。
彼のような人を本当の「医師」(医者ではない)というのだろう。
アフガンの人達の苦しみを一目見れば、決して爆弾を落して殺すような行為、そしてその行為を支援することなどできないはずだ。