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過換気症候群

今日の午後の内視鏡的手術は難しい人ばかりで、疲れ果てた。

珍しく帰ってから1時間ほど寝る。

疲れたときは休むに限る。

話しは変わって、今日の午前中の診療のことである。

やたらと薬をほしがる患者さんにがいた。

症状が出ていないのに、「症状が出た時のために薬をくれ」という。

どうも症状が出ると直ぐ薬を服用するらしい。

ただ、本人は「自分は強い」と言う。弱いというのならわかるのが・・・・。

たしかに、検査を受ける時は緊張感が見られず、話している時も落ち着いている。

決して神経質にはみえない。

話しているうちに、彼女に症状が出るのは相当無理をした時だということがわかった。

また、よく過換気症候群を起こすことがわかった。

過換気症候群とは不安やストレスが原因で、呼吸が大きく頻回となり、その結果、血液がアルカリ性に傾くことによって、体のしびれ、硬直が始まり、やがてはけいれんや意識消失がおきる。

症状は激しいが、単に大きな呼吸によって、血中の二酸化炭素濃度が下がっておきる病態なのだ。

治療は簡単で、鼻と口に袋をあててその中の空気(二酸化炭素が多い)を吸っていればなおる。

その話を聞いて、彼女がどうしてこのようなことを繰り返しているかピンときた。

彼女は頑張過ぎるのである。

多少の無理がきく、けっして弱くない人である。

しかし、自分の限界を知らないから、無理をしすぎる。

無理をすれば必ず「やめなさい」というメッセージが体からでる。

彼女のメッセージは頭痛や腹痛であった。

そのメッセージの意味を知らない彼女は、すぐ薬で抑えにかかっていた。

症状を抑えた彼女はさらに頑張ってしまう。

肉体も精神も限界に来た時に過換気症候群をおこして倒れ、それでやっと彼女は休むのである。

それを何度も何度も繰り返していたが、その図式にはだれも気付いていなかった。

医者は過換気を治すだけであった。

僕は過換気になる前の症状に気付くこと、それを薬で抑えずに、休むかリラクセーションの方法を導入することを話した。

いつも言っているように症状はメッセージなのである。

すぐにとってはならない。

その意味を知ることが大切である。

彼女が頑張りすぎる原因は、きっと子どもの時の家庭環境にあるのでは?と推察している。

良い子を演じ続けなければならなかったのではないだろうか・・・・・。