ついに今日でマサイマラともお別れ。
今回は、計12泊したことになる。
朝日を狙ってから、ナクル湖に移動する予定だったが、昨日の夕方から天気が下り坂になっている。
雲が多くて、朝日はだめだったので、早々に諦めて、ナクル湖に向う。
車が1台なので、ツアーの時と比べると移動に時間がかからない。
ドライバーもガンガン飛ばしたので、4時間45分でナクル湖に着いてしまった。
「マサイマラでハードなサファリを続けてきたので、車の点検が必要」とドライバーが言うので、午後のサファリは4時からにする。
久しぶりに昼に休めるのは嬉しい。
連日のフルデイサファリでさすがに胃腸系は弱り、体もだるい。
そんな状態だったので、午後のサファリは、雲も多く、光がないのも一因だったが、最初のうちは珍しく気乗りしなかった。
が、すぐにヒョウが登場。
草むらをのんびり歩いている。
通常なら喜ぶところだが、僕の場合、ヒョウがいるだけでは満足できない。
親子も狩りも交尾も撮っているからだ。
「贅沢だ」と思われるかもしれないが、「常に新しい作品を撮っていかなければならない」ということはけっこうたいへんなことなのだ。
しかし、こんな僕を満足させなければならないので、ドライバーもたいへんだ。
彼は、粘ってなんとか僕に撮らせてくれようとするが、光はないし、ヒョウが歩いているだけではあまり撮る気がしなかった。
「もう行こう」と彼に言い、湖岸に出た。
そこで、すぐにはやぶさの一種が石の上にとまっていたので撮影。
幼鳥だが、初めて見る鳥だ。
その後、しばらくはめぼしいものが撮れなかったが、少し暗くなってきた5時半頃にシロサイを発見。
それも6頭がかたまっていて、4頭は湖に流れ込む川の水を飲んでいる。
水を飲んでいる4頭のうちの2頭は親子だ。
サイのそばではハゲコウが歩き回っている。
こんなシーンは始めてだ。
サイの影も水に映っているし、久々のシャッターチャンス。
だるさなどいっぺんに消え、アドレナリンが噴出してきた。
レンズを換えながら撮りまくる。
が、ちょっと興奮し過ぎて、ピントや露出がいいかげんなまま押しまくっている。
「いけない、いけない」と、ちょっと反省。
冷静になってみると、暗くて、露出の条件が難しいことに気付く。
「撮れているのだろうか?」と急に心配になってきた。
以前に黒サイの水飲みは撮っているが、シロサイは初めてだったので、がぜん元気が出てきた(げんきんなものだ)。
続いて白サイの授乳シーン。
水を飲んだ後、子ども(といってもかなり大きい)はお乳をねだり始めた。
しかし、少し飲んだ後に親に拒否された子供は、やぎのように「ミェ―ミェ―」となき始めた。
「サイはこんな声でなくのか」と驚くと同時に、その巨体となんとも不釣合いな声なので、思わずドライバーと笑ってしまった。
その直後、ダチョウのオスが座っているのを発見。
動かないところを見ると、卵を暖めているようだ(卵はすべて体の下にあるので見えなかったが)。
その場所は湖岸に近く、フラミンゴをバックに撮影できるはずだ。
絶好のチャンスだ!
しかし、今日はもう光りがない。
明日一番にここにくることにしよう。
ナクル湖の宿泊は1泊の予定であったが、「2連泊にして良かった」と思った。
ここは小さな国立公園だが、けっこう良いシーンが見れる。
決してマサイマラやサンブールなどの主要保護区への中継地ではない、と僕自身は思っている。