· 

サファリ日記 2002年9月7日

ついに今日でマサイマラともお別れ。

今回は、計12泊したことになる。

朝日を狙ってから、ナクル湖に移動する予定だったが、昨日の夕方から天気が下り坂になっている。

雲が多くて、朝日はだめだったので、早々に諦めて、ナクル湖に向う。

車が1台なので、ツアーの時と比べると移動に時間がかからない。

ドライバーもガンガン飛ばしたので、4時間45分でナクル湖に着いてしまった。

「マサイマラでハードなサファリを続けてきたので、車の点検が必要」とドライバーが言うので、午後のサファリは4時からにする。

久しぶりに昼に休めるのは嬉しい。

連日のフルデイサファリでさすがに胃腸系は弱り、体もだるい。

そんな状態だったので、午後のサファリは、雲も多く、光がないのも一因だったが、最初のうちは珍しく気乗りしなかった。

が、すぐにヒョウが登場。

草むらをのんびり歩いている。

通常なら喜ぶところだが、僕の場合、ヒョウがいるだけでは満足できない。

親子も狩りも交尾も撮っているからだ。

「贅沢だ」と思われるかもしれないが、「常に新しい作品を撮っていかなければならない」ということはけっこうたいへんなことなのだ。

しかし、こんな僕を満足させなければならないので、ドライバーもたいへんだ。

彼は、粘ってなんとか僕に撮らせてくれようとするが、光はないし、ヒョウが歩いているだけではあまり撮る気がしなかった。

「もう行こう」と彼に言い、湖岸に出た。

そこで、すぐにはやぶさの一種が石の上にとまっていたので撮影。

幼鳥だが、初めて見る鳥だ。

その後、しばらくはめぼしいものが撮れなかったが、少し暗くなってきた5時半頃にシロサイを発見。

それも6頭がかたまっていて、4頭は湖に流れ込む川の水を飲んでいる。

水を飲んでいる4頭のうちの2頭は親子だ。

サイのそばではハゲコウが歩き回っている。

こんなシーンは始めてだ。

サイの影も水に映っているし、久々のシャッターチャンス。

だるさなどいっぺんに消え、アドレナリンが噴出してきた。

レンズを換えながら撮りまくる。

が、ちょっと興奮し過ぎて、ピントや露出がいいかげんなまま押しまくっている。

「いけない、いけない」と、ちょっと反省。

冷静になってみると、暗くて、露出の条件が難しいことに気付く。

「撮れているのだろうか?」と急に心配になってきた。

以前に黒サイの水飲みは撮っているが、シロサイは初めてだったので、がぜん元気が出てきた(げんきんなものだ)。

続いて白サイの授乳シーン。

水を飲んだ後、子ども(といってもかなり大きい)はお乳をねだり始めた。

しかし、少し飲んだ後に親に拒否された子供は、やぎのように「ミェ―ミェ―」となき始めた。

「サイはこんな声でなくのか」と驚くと同時に、その巨体となんとも不釣合いな声なので、思わずドライバーと笑ってしまった。

その直後、ダチョウのオスが座っているのを発見。

動かないところを見ると、卵を暖めているようだ(卵はすべて体の下にあるので見えなかったが)。

その場所は湖岸に近く、フラミンゴをバックに撮影できるはずだ。

絶好のチャンスだ!

しかし、今日はもう光りがない。

明日一番にここにくることにしよう。

ナクル湖の宿泊は1泊の予定であったが、「2連泊にして良かった」と思った。

ここは小さな国立公園だが、けっこう良いシーンが見れる。

決してマサイマラやサンブールなどの主要保護区への中継地ではない、と僕自身は思っている。

横浜市内のある小学校から、出張授業を頼まれた。

1~2年生が対象と聞き、「難しいです」とお答えした。

1~2年生は僕にとっては宇宙人。

どこまで分かるかまったく想像できないからだ。

ふだん小学校で出張授業を頼まれるときは、5~6年を対象に自然界のバランスをするが、それは難しすぎるだろう。

しかし、担任の先生の熱意に動かされ、受けることになった。

テーマは動物親子と群れの話。

チーター、ライオン、ヌー、ゾウの親子のエピソードや群れでの生活をスライドで紹介しながら30分の授業をおこなったが、2年生はテレビの影響なのか、動物好きの先生が普段教えているのか、その知識にびっくりした。

ほとんどの質問に答えるではないか・・・・。

みな熱心に聞いてくれたので、多少は役だったのではないか、と思っている。

終了後、1年生のエスコートで教室に行き、子どもたちが全員で僕のために劇を演じてくれた。

素晴らしい出来にちょと感動。

でも、さらに感動したのは先生の熱意だった。

実はこの学校は廃校になるらしい。

その記念に子どもたちのために何かをしたいという先生の熱い思いに胸が熱くなった。

12月には校庭に移動動物園を呼ぶらしい。