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当直について

今の勤務先は当直がなくて楽であるが(若い先生がしてくれるので)、年に1度か2度、輪番といって泊まらなければならない日がある。

今日はその輪番の日。

当直といっても、よばれることはほとんどないので、たっぷり仕事ができる。

連載等の仕事がたまっているので、よい機会だ。

このように楽な当直なら良いのだが、若い頃の大学病院の当直は激務でたいへんだった。

このような生活を続けていたら死んでしまう、とたびたび思った。

ほとんど一睡もできずに急患や病棟患者の変化でよばれ、翌日は通常の勤務をする。

重症患者さんがいたら、そのまま泊り込みになることもあった。

一所懸命やればやるほど、自分の首を締めていく。

が、手抜きもできないし、したくない

“良い医療をしたい”という思いと“身体を休めたい”という気持ちがいつもせめぎあっていた。

だから、けっこうストレスがたまっていた。

ある時間内で誠心誠意良い医療をすることは難しくないと思う。

しかし、これがかなりの長時間に及ぶとしたら、その質を落とさないようにできるだろうか。

少なくとも、僕はきついと感じていた。

一部にはできる人もいるだろう。

が、それはごく一部だし、そのしわ寄せはどこかに出るはずだ。

大学病院でバリバリやっている医者の多くは家庭崩壊だと聞いたことがある。

今のように医者の奉仕に依存しているシステムでは、若い医者はたいへんで忙しい科を避けるようになるだろう。

実際、外科や小児科のなり手が減っているそうだ。

また、激務が続けば、医療事故が多発するのは当然だ。

もう少し医者が働きやすい(肉体的にも、精神的にも、経済的にも)システムを作るべきだと思う。