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動物写真家と言わないでほしい

映画・ガイアシンフォニー3を見た。

今回で2度目になる。

この映画(1から4まで出来ている)は、オムニバス形式に何人かが登場するが、今回のメインの主人公は、アラスカの大自然を撮る写真家・星野道夫。

彼の出演がまっさきに決まっていたそうだが、直前にカムチャッカで熊に襲われて死亡した。

それにも関わらず、この映画は作られた。

そして、素晴らしい出来だった。

僕は、ガイアシンフォニーのなかでベストだと思っている。

アラスカの大自然のなかで、1人キャンプをしながら長い時間自然と対峙してきた彼は、当然のように詩人となり、哲学者となった。

自然のなかで“大いなる何か”と “永遠なるいのち”の存在に気付き、生きることの喜び、悲しみ、そして切なさを美しい文章と写真に結実させていった。

僕は、写真を始めた時から、「写真家で誰が好きですか」と聞かれたら、星野道夫と答えていた。

それは今も変わらない。

しかし、彼はたんなる動物写真家ではない。

彼が表現しようとしていたのは、彼の愛したアラスカのスピリットだった。

その対象は、人であり、動物であり、自然であり、スピリットを持つすべてであった。

彼が愛し、彼を愛したアラスカの人々も魅力的だった。

みな星野道夫と同じようにスピリチュアルで、ひじょうに深い哲学や人生を半分降りた(半隠遁とでも言おうか)清々しさを持っていた。

最近見た映画は、駄作が多かったが、今日は久しぶりに見終わって、すごく気持ちが良くなった。

僕は動物写真家と言われている人を、動物の姿を撮っている写真家、そしてスピリットやいのちを撮っている写真家(動物写真家とは言わないでほしい)にわけてほしいと思っている。

当然、彼は後者に入る。

僕もまだ未熟だが、後者を目指している。