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「ダギーへの手紙」

先日、神経質で小さな症状を気にしてばかりいる老人を診てくれと頼まれた。

たしかに、自律神経の乱れによる症状がたくさんあり、その症状に縛られている。

その原因を作っているのは、神経質すぎるものの捉え方と生かされていることへの感謝の念がないことだと思った。

そこで、症状がどのような意味を持つのか、生と死の意味、日常生活の過ごし方などを話した後、用意してきた(事前に診てくれと頼まれていたので用意してあった)エリザベス・キューブラー・ロスの書いた「ダギーへの手紙」を渡した。

この本は「なぜ子どもが死ななければいけないの」という白血病の少年・ダギーの問いに、ロス博士が答えたものである。

いのちは長さでないこと、生かされていることに感謝しながら今を精一杯生きることの大切さ、時がきたら誰でも死に、別のかたちにかわっていくこと、などについて子どもに分かるように書いてある。

数日して、この老人の孫から「あの日以来、驚くほどおじいちゃんは元気になった」と聞かされた。

おじいちゃんは「ダギーへの手紙」を何度も読んでいるそうだ。

 

横浜市内のある小学校から、出張授業を頼まれた。

1~2年生が対象と聞き、「難しいです」とお答えした。

1~2年生は僕にとっては宇宙人。

どこまで分かるかまったく想像できないからだ。

ふだん小学校で出張授業を頼まれるときは、5~6年を対象に自然界のバランスをするが、それは難しすぎるだろう。

しかし、担任の先生の熱意に動かされ、受けることになった。

テーマは動物親子と群れの話。

チーター、ライオン、ヌー、ゾウの親子のエピソードや群れでの生活をスライドで紹介しながら30分の授業をおこなったが、2年生はテレビの影響なのか、動物好きの先生が普段教えているのか、その知識にびっくりした。

ほとんどの質問に答えるではないか・・・・。

みな熱心に聞いてくれたので、多少は役だったのではないか、と思っている。

終了後、1年生のエスコートで教室に行き、子どもたちが全員で僕のために劇を演じてくれた。

素晴らしい出来にちょと感動。

でも、さらに感動したのは先生の熱意だった。

実はこの学校は廃校になるらしい。

その記念に子どもたちのために何かをしたいという先生の熱い思いに胸が熱くなった。

12月には校庭に移動動物園を呼ぶらしい。