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早く受診すればよかった

医局で、「毎年12月になると大腸の進行癌患者が多いような気がする」と言ったら、同僚が「そうだ、そうだ」と言うので秘書に調べてもらった。

やはり、そのようだった。

その中には、かなり前から症状があったり、他院で異常が指摘されていたにも関わらず、きちんと受診していない例も少なくない。

癌が見つかっても、今から紹介すると(松島では内視鏡的手術しかできない)、病院で正月を迎えることになるかもしれない。

別に正月は休みだから、仕事を休むよりは良い、と言う人もいるが、そうではない。

正月は、大きな病院も手薄になる。

当直医だけになるので、緊急の処置や異常の発見が遅れる可能性がある。

普段のようにはきめ細かな対応ができないのだ。

だから、緊急の時、やむをえない場合はしょうがないが、正月をはさんだ入院を避けるために、異常があれば早めに受診したほうが良い。

こんなことは当たり前だと思うかもしれない。

が、ほとんどの人が「自分だけはそんなことにはならない」と思っているから、受診をのばしのばしにする。

そして、「正月にかかるのですか?もっと早く受診すれば良かった」ということになるのである。

横浜市内のある小学校から、出張授業を頼まれた。

1~2年生が対象と聞き、「難しいです」とお答えした。

1~2年生は僕にとっては宇宙人。

どこまで分かるかまったく想像できないからだ。

ふだん小学校で出張授業を頼まれるときは、5~6年を対象に自然界のバランスをするが、それは難しすぎるだろう。

しかし、担任の先生の熱意に動かされ、受けることになった。

テーマは動物親子と群れの話。

チーター、ライオン、ヌー、ゾウの親子のエピソードや群れでの生活をスライドで紹介しながら30分の授業をおこなったが、2年生はテレビの影響なのか、動物好きの先生が普段教えているのか、その知識にびっくりした。

ほとんどの質問に答えるではないか・・・・。

みな熱心に聞いてくれたので、多少は役だったのではないか、と思っている。

終了後、1年生のエスコートで教室に行き、子どもたちが全員で僕のために劇を演じてくれた。

素晴らしい出来にちょと感動。

でも、さらに感動したのは先生の熱意だった。

実はこの学校は廃校になるらしい。

その記念に子どもたちのために何かをしたいという先生の熱い思いに胸が熱くなった。

12月には校庭に移動動物園を呼ぶらしい。