久々に今日の1日について書くことにする。
午前中は、内視鏡検査の日。
11件の大腸内視鏡検査をこなす(今日の件数は午前中だけで大腸内視鏡29件)。
最後の患者さんは、89歳の一人では歩けない老人だった。
「なんでこのような人が検査に入っているのだろうか」と疑問に思い、おじいさんに「何か症状があるのですか」と聞くが、「何もない」と言う。
検診で便の潜血反応が陽性だっただけらしい。
僕は、80歳を過ぎたら症状がないかぎり、たいへんでリスクを伴う検査はすべきでない、と思っている。
大腸内視鏡検査は、検査前に下剤や大量の液体を飲まなければならないので、それだけで大変なのに、検査自体も腸に傷がつくなどのリスクがある。
この老人の場合、たとえ病気が見つかっても、本人も家族も治療を望んでいないので、やる意味が理解できなかった。
「単に苦痛を与えるだけではないか」と思うのだが、こういった適応を考えない、検査の依頼が最近多い。
検査終了後に、看護婦さんから12月15日に府中であった山元加津子さんの講演会に行ってきた、との報告があった。
山元さんは、僕の友人で、すばらしい活動をしている養護学校の先生。
(山元さんのホームページ http://www005.upp.so-net.ne.jp/kakko/)
その看護婦さんは、娘さんと一緒に行ってきたそうだが、2人とも感動し、ふだんあまり会話のない親子が久々にその講演を契機に話しができたそうだ。
よかった、よかった・・・・・。
これぞ、山もっちゃん効果。
午後は、外来だった。
今日は、患者さんが多く、ずっとしゃべりっぱなしだったので、最後には声がでなくなった。
講演より外来の方がしゃべっているのではないだろうか。
普段は無口なのに・・・・・。
人間ドックの判定をして、5時前にやっと仕事が終わった。
今日は僕の誕生日なので、まっすぐ帰宅。
昨年も書いたような気がするが、年々自分自身にまとったよろいを1枚ずつ脱ぎ捨てて、精神は自由になってきている。
世俗的な執着がだんだん薄れ、自分らしい生き方ができるようになりつつある。
だから、年をとった、ということをほとんど感じない。