3月14日
昨日は作家の田口ランディさんと来年の1月に一緒に行くアフリカの旅の第1回目の打ち合わせをおこなった。
この旅では、ケニアのサバンナとルワンダのゴリラの森を旅する予定。
開けた大草原・サバンナ、そして神秘的なゴリラの森・・・・・。
きっとお互いが様々な発見をするのであろう。
どんな旅になるのか、いまから楽しみだ。
さて、ここからがサファリ日記の続き
2月19日
今日もムシアラに行く予定。
天気はバッチリだ。
日の出前、空が美しいオレンジ色に染まったが、動物がいない。
必至に探してゾウのシルエットをオレンジ色の空をバックに撮影した。
2頭は横を向き、全体像が入ったが、1頭が岡に隠れ全体像が見えなかったのは残念。
日の出は光が強かったが、樹上のカンムリヅルのペアーと撮影できた。
7時半頃、チーター親子を発見。
狩りをしそうな雰囲気なので、じっと待つ。
8時に1頭のグラントガゼルに接近し始めた。
するすると寄って行き、アッというまに20m位に寄った。
が、そこからが慎重だった。
長い距離を走ると他の動物に気付かれ、子供に危険が及ぶ可能性があるからなのだろう。
慎重に待っていたが、走りだし後は早かった。
瞬く間に捕まえてしまったところを見ると、母親は熟練したハンターのようだ。
捕まえる瞬間を撮ることができたが、少し遠く、半逆光だったのが残念。
捕まえた後、いっせいにまわりで見ていた車が集まってきた(狩りが終了するまで近くに寄って狩りの邪魔をしてはならない)。
チーターはグランドガゼルの首をしっかりくわえ、ガゼルは数分後に足を硬直させ息絶えた。
子供たちは離れたところでおとなしく待っていた(2日前はチー、チーないて、狩りの邪魔になっていたのだが)。
その後、チーターは子供達を呼び、1台のランドローバーの下に獲物を入れ、食べ始めた。これがもっとも他の動物に気付かれない方法なのだろう。
親は皮をかじって肉を露
出させただけで自分は呼吸を整え始めた。
子供達に食べやすい状態にしたのである。
子供たちは生後2週間と小さいのに肉をむさぼりつくように食べ始めた。
ふんだんにミルクがあれば、肉ではなくてミルクが主体なのだろうが、母親がナーバスになり、あまり狩りをしないので、親子とも相当空腹なのだろう
(大分頬がこけている)。
そのうち呼吸が整った親も食事に参加。
その時、ガゼルから子供が出て来たような印象を受けた。
あとで確認したら、やはりガゼルは出産直前だったようだ。
ガゼルの動きが鈍いので妊娠しているのではないかと思っていたが、ドライバーは違うと言うのでそれを信じていたが、僕の読みのほうが当たっていたようだ。
生まれる前に死んで行くいのち・・・・。
ちょっと複雑な心境になるが、チーター親子も相当に空腹なのでやむをえない。
そのうち僕らの車の真下に獲物を運び、食べ始めた。
ガリガリと肋骨をくだく音が生々しく聞こえていた。
そのころから、ハゲワシが周辺に集まり始めていた。
ハゲワシが集まれば、その姿を見てハイエナがやってくる。
ナーバスになったチーター達はそこで食事を終了し、移動し始めた。
その後、ハゲワシの群がり方のすごいこと。
残りの肉をあっという間に食べ尽くしてしまった。
今はすべての肉食の動物が飢える時、ハゲワシ達もよほど空腹なのだろう。
そのうちハゲコウやジャッカルも集まって来た。
親子のなめ合いもないまま(期待していたのだが)、移動を続けるチーター。
草の高いところを移動するのでまるで撮れなかった。
道に出て水のみを期待したが、そのうち草の間で寝てしまったので、ロッジに戻ることにした。
午後は4時からサファリ。
チーター親子は食べたばかりで、ブッシュか高い草の所で寝ているだろうと予想し、ムシアラには行かず、近くを流れるタレック川に沿ってサファリ。
最初に見たのはゾウの川渡り。
といっても、川幅は5mくらいだが、太陽光が水面に反射してピカピカ光り、なかなか幻想的だった。
そのあとゾウの群れを見つけ、空をバックに撮ろうとしたが、間一髪の差で薮の中に入られてしまった。
そこで川を渡る。
といっても橋をわたるのではない。
岩だらけの川底と急な砂地の斜面を越えるのだが、「大丈夫だろうか」という不安は余計だったようだ。
それにしても、現地のドライバーの運転技術は凄い。
とくに僕のドライバーは年々腕をあげている。
なぜそのようなたいへんな思いをしてまで川を渡ったかというと、川沿いを移動中に対岸の向こうにおびただしい数のダチョウの群れを見つけたからだ。
行ってみて驚いた。雄1に雌2、子供の数は70近い。
こんな大きな群れは初めてだ。
ドライバーも初めてらしい。
これだけ数がいるのは、いくつかの群れが集合しているのであろう。
この群れを撮影後、移動していると2台の車が止まっているのを発見。
草むらにヒョウが潜んでいた。
雌ヒョウで、獲物を狙っている雰囲気だ。
周囲に車はいない。
絶好のチャンスと1時間ほど追ったが、30mまでガゼルに近付いた時点で日没になってしまった。
時間が止まって欲しいと痛切に思ったが、無常にも闇が広がってしまった。
そしていよいよ日没。
ヒョウのところで粘るか、近くにいるトピと撮影するか迷ったが、トピにした。
しかし、光がやや強すぎ日没はイマイチだった。