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写真集の感想文 1

今日本屋をのぞいたが、まだ写真集は並んでいなかった。

ちょっとがっかり。

しかし、自宅に戻ると本が届いていた。

ボイスには、「書店に行ったが並んでいなかったので、倉庫から出してもらった」という方から感想文がはいっていた。

ということは、今日書店に到着したようだ。

明日は店頭に並ぶはずである。

そんなに焦ることはないのだが、皆さんに18日発売なんて言ったものだから、迷惑をかけてしまったかもしれないと気に病んでいる。

今日は、先に見せていた友人から送られてきた感想文を載せようと思う。

大きな封筒がポストに入っていました。あけると井上さんの Love Letter。はっとしました。カバーを見た瞬間、透明で静かな空間にすべり込んでしまったからです。木立の中はひんやりした空気。太い幹の途中に、一頭のヒョウが早朝の光を背に受けてすわっています。画面の奥に、明るい草原がしーんと広がります。

動物たちは自分の場所で、それぞれの時間を精一杯生きているのですね。あるときは緊張していっせいに遠くを見つめ、あるときは必死で川を渡り、あるときは無心にじゃれあう。

自然のなかでリラックスしている動物たちはなんとも気持ちよさそうです。枝の上で遠くを眺めるヒョウの前足は完全に力が抜けているし、チーターの赤ちゃんはころんと横になって眠りこけています。そして、お母さんに寄り添う子どもたちの安心しきった顔。ゾウもキリンもシマウマもライオンも、信頼の表情は同じだと知りました。

とくに好きなのはどこまでも続く空の写真です。地平線をキリンたちが悠然と歩き、流れる雲の下にシマウマの群れが見えます。ゴーッと音を立てて澄みわたっていくような空。「この空の下に立ってみたい」と思ったのがアフリカに行くきっかけになったことは、いつかお話ししましたよね。

ページをめくるにつれて空は移ろい、静かな、あるいはドラマチックな表情を見せます。遠くで雨が降りだし、風がぬれた土のにおいを含んで草を揺らします。雨上がりの一瞬の輝き。夕映えの色。不思議な光に心を打たれます。とりわけ、フラミンゴの湖が目の前いっぱいに広がったときは、ぞくっとしました。厚い雲のすき間から射す光の神秘的なこと。その光に応えるかのように、湖面は波立って輝きます。ざわめきたつフラミンゴの鳴声や羽音が聞こえてきます。

井上さんは「奇跡」という言葉を使うけれど、いつかこういう光に出会えることを知っているから、長い時間をかけて待つのでしょう?

この写真集を開くと、井上さんがシャッターを押したその空間に、私も身をおいているような気がします。風の音や草のにおい、空気の温度や肌ざわりを感じるのです。そうやってサバンナの時の流れに身を任せるうちに、大自然、いのち、調和、多様性・・・・。いろんなことを考えはじめているのに気づきました。井上さんの言葉が風に運ばれてきて、いつのまにか心に沁みこんだからなのでしょうね。

何が起こっても、一日は終わり、また明ける。いのちもまたこうしてめぐり、繰り返すということが、すんなり受け入れられるようになりました。一瞬一瞬が、ますますいとおしく思えます。

 Love Letter をありがとう。