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人を癒すことは、もっとも自分自身を癒すこと

ある青年が外来に通院している。

彼は以前陸上部の花形で勉強も出来たそうだ。

しかし、大学に入った後、ひきこもってしまった。

その後、うつ状態となり、潰瘍性大腸炎になり、そんな状態で僕が診ることになった。

当時は長い長い苦しみの中にいた。

しかし、今の彼は輝きを取り戻し始めている。

「うつ」から脱し、腸の方も落ち着き、前に向かって進み始めている。

今はひきこもりの支援活動に参加しているらしいが、将来は福祉の仕事につきたいと言う。

彼ならきっとやるだろう。

確信に近いものを僕は感じている。

回り道をしたようで、実は早い自分発見だったのかもしれない。

彼の今までの苦しみは想像に難くないが、この苦しみがあったからこそ、人のために役立ちたいという崇高な考えを持つにいたったのだろう。

「人を癒すことがもっとも自分自身を癒す」

これは僕が自らの経験から得てきた言葉だ。

彼自身が本当の人生を歩み、その過程で自らが癒されるという経験を通して本当の治癒が訪れる、と僕は思っている。

「苦しみや悲しみが深いほど愛に目覚める」

彼の姿を見ているとそう思う。

僕の患者さんのなかで医療や福祉関係に進む人が多いことは、僕の誇りなのだ。