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僕のツアーについて

今年の夏のツアーを締め切った。

今回はSARSやテロの影響などで申し込みが少なかった。

何人もが直前まで悩んでいたが、勤務先からの「海外旅行は避けたほうが良い」との通達で最終的には断念したようだ。

結局今回は、僕たち夫婦を含めて9人のツアーとなる。

現地もこういった事情だからそれほど混んでいないかもしれないので、サファリをするには良い環境だろう。

あとは天候と動物の状況いかんだが、それは行ってみなければ分からない。

事前に情報を得てもその通りになるのは、ナクル湖のフラミンゴの数くらいで、だいたいの予想は外れる。

だから僕は事前の情報はあまり当てにしなことにしている。

いずれにせよ、多少の良し悪しはあっても、いまだかつて撮れなかったことはないのだ。

毎回違ったシーンが見られ、違った感動があるからサバンナは素晴らしい。

「なぜ井上さんばかりがそんなに撮れるのですか」とよく聞かれるが、それにはいくつかの因子があるように思う。

まず、僕の写真を通して「伝えたい」という想いが強いことがあげられる。

次は、場所の設定(僕が決める)と良い光の時間帯になるべく長い間フィールドにいること、そして良いドライバーの確保、さらには動物に対する興味の深さ(2人とも見ているものが幅広い)と動物の行動に対する予測力(ドライバーに負うところが大である)だと思っている。

とにかく朝夕の良い時間帯にフィールドに出ていないツアーが多すぎる。

僕もはじめの2回一般的なツアーに参加して痛切にそのことを感じ、「そんなんじゃ見れるわけないよ、撮れるわけないよ」と不満があったからこそ、自分でツアーを作ろうと思ったのだ。

だから、僕のツアーはフィールドに出ている時間がとにかく長い。

朝夕の良い光の時はよほどのことがない限りフィールドにいる。

ドライバーに関しても、今まで経験したほとんどのドライバーは未熟で、僕のサファリを満足させえられる人はほとんどいなかった。

しかし、今のドライバーは気難しい面もあるが、サファリに関しては言うことがない。

ただ、彼一人ではだめなのであって、2人のコンビネーションが大切なのだ。

この2人の組み合わせだから、多くの素晴らしいシーンに出会えたのだ。

短期間のツアー中に出会えるシーンの数では、おそらくどこにも負けないだろう。

実際、ツアー中に良いシーンにたびたび出会っている。

今回の写真集の約100点の作品のうち、20枚以上がツアー中に撮ったものだ。

ということは、大体1回のツアーで4枚の作品が撮れたことになる。

しかし、がんがんサファリをするだけではない。

ロッジでのんびりしたい人にはそうしてもらうというのも僕のツアーの特徴だ。

全員が同じ行動をとる必要はない。

僕は、つねに多様性を認めたいと思っている。

サファリ組は僕が面倒をみて、ロッジ組は家内が面倒をみる、といった具合に各人の希望に対応している。