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写真の値段

僕の写真を雑誌やパンフレットに使いたいという依頼が時々くる。

僕が撮影したというクレジットが入るのならだいたいOKするのだが、その値段は驚くほど安いことが多い。

1枚スライドを貸して、1万円なんてこともある。

あれだけ取材費がかかっているのに・・・・・。

これでプロの人たちは生活していけるのだろうか、と思ってしまう。

昨日もコンペに出すので写真を貸して欲しいという話があった。

ただし、コンペに通ればお金は出すが、通らなければ出せないと言われた。

「それはないでしょう」と思ったが、一流のプロもそういった条件をのんでいるとのこと。

以前は企画の段階で予算が出たが、最近は不況のために予算がおりないためらしい。

断ろうかと思ったが、良い感性を持った若いデザイナーが、僕の写真にほれ込んで選んでいったので、今回はその条件をのむことにした。

僕は医師として給料をもらっているので、写真の値段にうるさいことはいわなかったが、最近「それではいけない」と思うようになっていた。

欧米に比べると日本では写真の価値がひじょうに低いので、その価値を高めるためにも安売りすべきでない、と思うようになっていた。

あの素晴らしい写真を撮っていた星野道夫さんが生活に困窮して一時生活保護を受けることまで考えていたと聞くと、「やはりなんとかしなければ・・・・」と思ってしまうのだ。

が、これは不遜な態度なのかもしれない。

そんなことをしても、何も変わらないだろう。

余計なことを考えずに、自分の写真の質、表現の質をさらに高めることだけを考えるべきだ、ということに気付いた。

横浜市内のある小学校から、出張授業を頼まれた。

1~2年生が対象と聞き、「難しいです」とお答えした。

1~2年生は僕にとっては宇宙人。

どこまで分かるかまったく想像できないからだ。

ふだん小学校で出張授業を頼まれるときは、5~6年を対象に自然界のバランスをするが、それは難しすぎるだろう。

しかし、担任の先生の熱意に動かされ、受けることになった。

テーマは動物親子と群れの話。

チーター、ライオン、ヌー、ゾウの親子のエピソードや群れでの生活をスライドで紹介しながら30分の授業をおこなったが、2年生はテレビの影響なのか、動物好きの先生が普段教えているのか、その知識にびっくりした。

ほとんどの質問に答えるではないか・・・・。

みな熱心に聞いてくれたので、多少は役だったのではないか、と思っている。

終了後、1年生のエスコートで教室に行き、子どもたちが全員で僕のために劇を演じてくれた。

素晴らしい出来にちょと感動。

でも、さらに感動したのは先生の熱意だった。

実はこの学校は廃校になるらしい。

その記念に子どもたちのために何かをしたいという先生の熱い思いに胸が熱くなった。

12月には校庭に移動動物園を呼ぶらしい。