アフリカツアー参加者全員の飛行機の席はとれていたはずだった。
が、突然、全員がキャンセル、という信じられない事態がおきた。
日本の航空会社ならこんなことはないはずだが、さすがに中東の航空会社。
そんな信じられない事態がおきたのである。
こんなことは僕の30回以上のアフリカ旅行でも初めてだし、旅行会社・道祖神としても初めてらしい。
どうも飛行機が最初の予定より小さくなり、あきらかなオーバーブッキングになったためらしい。
しかし、それで全キャンセルして、予約を調整し直すなんて信じられない話だ。
そのおかげで一部の人はキャンセルされたままになってしまった。
二手に別れて別ルートで行いこうか、それともキャンセル組は行くのを中止にするのか、とやきもきし続けた1ヶ月だった。
だが、一度もツアー中止は考えなかった。
こんなに期待している人達の期待を裏切るわけにはいかないと思っているからだ。
道祖神も井上事務所も採算を度外ししてでも催行しようと考えていた。
そして今日、担当の築地さんのまさに血のにじむような努力で、やっと全員分の席が確保できたことが分かったのである。
築地さんは、あまりのストレスで会う度に痩せていき、声に力をなくしていたが、必死に頑張ってくれた。
さすがはプロ、頭が下がる思いだ。
大変だったが、これで道祖神や築地さんとの信頼関係は増し、さらに良い関係が出来ていくだろう。
たいへんな1ヶ月だったが、反面良いこともあった。
この事態が議題にのぼったときに、ある人は「自分の帰国が遅くなるのは構わないから」と言って、自分の席を他の人にまわそうとしてくれたり、先にケニアに入っていて、自分の最後の日程をツアー参加に当てていた人は「中止になっても自分の残りの旅はなんとかするので、無理はしないで欲しい」とこちらを思いやってくれたり、今回のメンバーの温かさに感動したことが何度もあった。
まさに、雨降って地固まる。
これだけの苦難を乗り切ってきたのだから、きっとよいツアーになるだろう、と思っている。