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サファリ日記2003年8月 パート2ー3

8月31日

朝6時に朝食と昼食の弁当をもって出発。

2時間かけてアイトングという公園の外にある場所に遠征する予定だ。

というのは、今宿泊しているセレナロッジに同宿している親友の写真家・大西さんから昨日ビッグニュースがもたらされたからである。

そのニュースとは、チーターが3日前に子供を5頭生んだというものだった。

大西さんがこのロッジに来る前に泊まっていたロッジのドライバーがわざわざ昨日電話をくれたとのこと。

昨日帰国予定の大西さんは、帰国を延期してチーターの子どもの撮影に挑戦することにして、前に泊まっていたロッジに戻っていった。

そこまでするのは、母チーターが子どもをくわえて移動するシーンを撮るのが大西さんの長年の夢だったからである。

これは10年に1度あるかないかのビックチャンスだ。

僕と阿部さん(同じロッジに宿泊しているサバンナ仲間)もその地に遠征することにした。

もし、その日撮れなければそのまま近くのロッジに泊まってチーター親子を狙うつもりでいた。

向かう途中キリンを見つけ、日の出とキリンを撮影。

今日は日の出の割に光が弱く(サバンナの日の出は光が強すぎて写真にならないことが多い)、良い感じの写真が撮れた。

幸先の良いスタートだ。

8時過にチーターが子供といる場所を発見。

すぐに発見できたのは、大西さんが先に見つけて待っていてくれたからだ。

場所は木が点在する草原。

草は高く、木は1mほどの高さしかない小さなもので、えっ、こんなところで、という場所だった。

深いブッシュは逆にライオンやハイエナに襲われる危険が高いのだと、ドライバーは言う。

近寄ってみると小さな木の根元に母親と子供5頭がいた。

本当に小さい。

半分くらいしか目が開いていない。

母親はさかんに子どもをなめているが草がじゃましてなかなか撮れない。

そのうち子供達はお乳を飲んで寝てしまった。

あまりそばにいると車が集まり、チーターにストレスをかけてしまうので、短時間寄って子どもの写真を撮った後、離れて様子を見ていた。

(あとで写真を見ると、周囲を高い草が取り囲んでいたにも係わらず、けっこう良い写真が撮れていた)

11時ころに母親は狩りに出掛ける。

かなり空腹の様子だ。

狙いはトムソンガゼル。

チーターが近寄っていくと、ガゼルたちは気付いていっせいに逃げ出した。

が、群れにいた子供は混乱したのか、チーターの方へ走り出してしまった。

走りだすチーター、向きを変えて逃げるガゼル。

撮影する僕にとっては絶好の方向に走っているのに、どうしたわけかピントが会わない。

焦っているうちにチーターは仕留めてしまった。

どうもカメラの設定を間違えていたようだ。

今回はいつも狩りのシーンとなると集中力が欠けている。

まるで「今回は狩りを撮るな」ということなのだろうか。

これで逆に眠っていた集中力が目覚めてきた。

今回の狙いは、小さな子どものアップと親が子どもをくわえて運ぶシーン。

この2つは、今まで自分の目では見たことがないシーンなので、楽しみだ。

この2つが撮れれば言うことはないが、なぜか撮れそうな予感があった。

3時前に母親が子供達のところに戻って来た。

「待ちに待った移動か?」と思ったが、母親は横になって子供にお乳を与え始めた。

子どもたちは目も見えないのに、母親が来ると這っていきお乳にたどり着く。

本能とはすごいものだといつも感心する。

ときには子ども同士けんかをしたりしている。

その後、子どもたちはお乳を飲んで安心したのか、草の陰に入って寝てしまった。

結局5時半まで待つが、移動はしなかった。

雲が多く、暗くなってきたのでロッジに引き返すことにした。

明日もこのチーター親子を狙うので、セレナに荷物と妻を残して阿部さん親子とともに車で1時間ほどの所にあるボヤジャーロッジに宿泊することにした。