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5年ぶりの受診

大学病院時代に診ていた患者さんが5年ぶりにクリニックにやってきた。

彼女は、当時は難治性の腸の病気で入退院を繰り返していた。

発症および難治の原因は親子関係のストレス。

だが、5年ぶりに会った彼女は顔つきも内面も別人のように変わっていた。

この間の苦しみのなかで彼女はかなり成長していた。

自分と親との関係を冷静に分析し、前向きに取り組み、さらに高齢になった親がもう変われないことをも受容していたのである。

そのためか、多少症状はあったもののかなり軽くなっていた。

今日じっくり話を聞いて、5年以上前に僕が話したことを真剣に受け止め、前向きに取り組んできたことを知って、とても嬉しくなった。

彼女がこの病気を克服して、新しい人生を歩んでいくのはそう先ではないような気がする。

彼女ならきっと「病気になって良かった」と言える人生を歩んでくれるのではないだろうか。

免疫が関与した病気の発症、再燃には体質以外にストレスが大きく関与している。

そして、若い年齢で発症する免疫の病気の原因として親子関係のストレスが重要だ。

だが、医師でそこまで踏み込んで考え、対応する人は少ないのはなぜなのだろうか。

ただ薬だけではよくならないのに、と僕は思うのだが・・・・・。

横浜市内のある小学校から、出張授業を頼まれた。

1~2年生が対象と聞き、「難しいです」とお答えした。

1~2年生は僕にとっては宇宙人。

どこまで分かるかまったく想像できないからだ。

ふだん小学校で出張授業を頼まれるときは、5~6年を対象に自然界のバランスをするが、それは難しすぎるだろう。

しかし、担任の先生の熱意に動かされ、受けることになった。

テーマは動物親子と群れの話。

チーター、ライオン、ヌー、ゾウの親子のエピソードや群れでの生活をスライドで紹介しながら30分の授業をおこなったが、2年生はテレビの影響なのか、動物好きの先生が普段教えているのか、その知識にびっくりした。

ほとんどの質問に答えるではないか・・・・。

みな熱心に聞いてくれたので、多少は役だったのではないか、と思っている。

終了後、1年生のエスコートで教室に行き、子どもたちが全員で僕のために劇を演じてくれた。

素晴らしい出来にちょと感動。

でも、さらに感動したのは先生の熱意だった。

実はこの学校は廃校になるらしい。

その記念に子どもたちのために何かをしたいという先生の熱い思いに胸が熱くなった。

12月には校庭に移動動物園を呼ぶらしい。