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インプレッシブな写真展

久しぶりに見終わってため息がでた。

それは、銀座・和光でおこなわれている三好和義写真展「巡る楽園」―四国八十八ヶ所から高野山へ、だった。

妻がお遍路した関係で、僕もその一部だけ一緒に歩き、高野山にも行っているので、三好さんがその世界をどう描いているのかとても興味があった。

実はその写真集は以前見ていたのだが、それほどインパクトは感じていなかった。

弘法大師の世界を描いたにしては、内容に深みがないような気がしたからだ。

弘法大師を崇拝し、勉強している家内も同意見だった。

だが、写真展会場はあきらかに違っていた。

大きな和紙にインクジェットで印刷された紙を使ったふすまが並べられた異空間にまず度肝を抜かれた。

ふすまは4枚1組で、その1枚1枚が違った仏像の写真であり、その裏を見ると4枚組になった四国の景色。

これが4面あって、写真展会場の中に異空間を作っている。

周囲を取り巻く写真パネルも木製で印画紙のかわりに和紙を使っている。

さらに掛け軸になったものまであり、その下では香がたかれていた。

何という心憎い演出なのだろうか。

そして、これはいったい写真なのだろうか、と思わせる個性的な表現形態。

弘法大師の楽園を三好和義流に見事に描ききっていると思った。

写真展に行ってもさっと見て帰ることがほとんどだが、今日は1時間近くも会場にいた。

じっくりみると、個々の写真は仏像以外にはそれほどインパクトは感じなかったが(仏像は、自然光もしくはろうそくの光のみで撮影されていてすごく良かった)、全体の構成は個性的、独創的で学ぶところが多かった。

従来の写真展形式には飽き足らなさを感じるようになってきている僕には非常にインプレッシブな写真展だった。

「さすが三好和義」と思わずため息が出た。