末期癌に侵されながら最後まで教壇に立ち、小学生にいのちのメッセージとして、さまざまな童話を読んでいた校長の話が新聞に載っていた。
忙しさのために詳しくは読んでいなかったが、家内が切り取っていてくれたので、今日あらためてじっくり読んでみた。
家内が切り取っていた理由は、内容的に僕に読ませたかったということもあるが、この校長の後任が家内の恩師だったからだ。
その校長は胃癌の手術後再発した。
末期癌で痩せ細った体で、「魂は死なない」という僕と同じメッセージを子供たちに発し続けたようだ。
「悲しみや涙が子どもたちの心を耕す」と考えた校長の授業は、「いのちの授業」と呼ばれていた。
子供たちの感想からも、それが伝わっている様子がわかり、最高の生と死の教育だったように思う。
その生き様、死に様はまさしく、僕の考える輝く生と輝く死であり、彼の魂は死ぬことなくつながっていくのだと思った。
死は肉体の終焉であり悲しいものだが、魂は死なない。
生の本質は、肉体の美醜でもなく、地位や名誉や財産でなく、魂の質で決まる。
輝いて生きていると死んでも魂は残る。
輝いて生きていないと、肉体が生きていても魂は死んでしまう、と思っている。