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リスクを背負いながら活動している

いよいよ明日は阪神百貨店での写真展飾りつけ。

ミニトークの準備以外は何とか終わらせることが出来た。

後は診療が無事に終わり、現地に行くことができれば・・・・・。

ところが、いつもこれが一番の問題。

アフリカに行くときも、写真展のときも、診療中に不測の事故がおきれば行くことができなくなる。

まして僕のやっているのはリスクの高い検査(大腸鏡)なのだ。

今まで行けなくなったことはなかったが、現地から心配で何度か連絡をしたことはあった。

いつもひやひやしながらなんとか無事に済ませ、現地に着いてはじめて「来れた」と実感するのだ。

だから、行く前にうきうきした気分になったことはない。

いつも緊張している。

今日も大きさ40mm以上のポリープを内視鏡で切除した。

写真展の飾りつけの前日にこんなリスクのある内視鏡的手術をしているのだ。

普通このサイズだと、大学病院のように外科があるところなら、「腸に穴があいても手術すれば良い」という気持で内視鏡的に切るかもしれないが、一般の病院ではまず手術になる。

それだけ内視鏡的には難しくリスクが高いのだ。

まして、今の勤務先は病院ではなくあくまでもクリニックなのだ。

技術的に出来ても、リスクを考えれば大きな病院に紹介したほうが良いはずだ。

しかし、この患者さんは当院での治療を希望して転院してきた人なので、危険があるので手術にしましょうと逃げるわけにはいかない。

また、ここでは皆がリスクを背負いながら働いているので、自分だけイベントの前だからいやだ、というわけにもいかない。

もし何か合併症がおきたら、明日からの写真展は家内に仕切ってもらうしかない、と腹をくくって臨んだ。

病変場所は一番奥の盲腸。

ここは腸壁が薄く、穿孔などの合併症がおきやすいところだ。

病変は冷や汗とため息がでるほどの大きさ。

40mmはゆうに超えている。

一瞬ひるんだが、これで何かあるようなら僕の運命もここまで(ちょっとおおげさだが)、と思って挑戦した。

あまりに大きいので、そのまま切除すれば100%穴が開くので、病変の下に生理食塩水を注射して、熱が下に伝わらないようにして5分割で切除した。

幸い、出血もなく、肉眼的にも完全にとれ、まずは完璧の出来だった。

しかし、これだけ傷が大きいと、後で大出血や穿孔といった大きな合併症の可能性はある。

たとえそうなっても不可抗力なのだが、実際合併症が起きたときは後の対応はきちんとしなければならない。

当然、大阪には行けないし、トークも出来ない。

90%は大丈夫と思っているが、しばらくは予断を許さない。

後は祈るのみだ。

僕はいつもこういったリスクを背負いながら、2つの活動をしているのである。