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サファリ日記 2004年2月25日

フィグツリー3日目

朝6時20分に出発。

今朝は晴れている。

日の出はチーターと狙うことにしたが、光が強すぎた。

チーター親子は早朝に狩りすませていた様子。

近くで残りをハイエナが食べていた。

子供達は大きなブッシュの中で遊び始めたので、ヒョウを探しに行く。

途中、ガゼルとトピが警戒しながら川に向かっているところに出くわす。

かなり緊張しているのは川を渡ろうとしているためか。

この場所で川を渡るには、急斜面を下り、細いが流れが早い5mくらいの川を渡り、また急斜面をあがらなければならない。

このあたりには肉食獣が多く、草食獣にとってはこの川渡りはリスクが大きい。

かなり警戒した様子に近くにヒョウの気配でもあるのか、と思ったが、よく周囲を見るとメスライオンが近づいてくるが見えた。

あきらかに狩りの体制に入っている。

それにしても今回のサファリは狩りのシーンがよく見れる。

こんなことは初めてだ。

ライオンはジリジリと近づいてくる。

ガゼルたちは相手が見えないが、あきらかに危険が迫っているのを感じている様子。

見えない敵に緊張しながらも、後戻りするには危険なブッシュを通っていかなければならないので、川に沿って移動せざるをえないガゼルたち。

利口なトピはうまく逃げていってしまったが、トムソンガゼルは取り残されたようだ。

迫ってくるメスライオン。

川の手前で行き場所を失ったガゼルに向かってライオンが襲いかかった。

いっせいに川と反対の方向に走りだすガゼルたち。

せっかくの狩りのシーンだが、ブッシュが邪魔して一瞬しか見えなかった。

手ぶらで移動し始めたライオンを見て、どうも取り逃がしたようだ、と思った時、近くに傷をおったガゼルがうずくまっているのを見つけた。

腹から血を流している。

ライオンの爪にやられたのだろう。

ライオンとの距離は10mほど。

うずくまって隠れているが、ガゼルの運命もこれまでか、と思った。

しかしライオンはガゼルを探そうとしない。

対岸には群れの仲間、メスライオン6頭と子供5頭がいて、そちらの方向ばかりを見ている。

そのうち川を渡って反対側に行ってしまった。

どうもこのライオンは偵察として先に渡ってきて、獲物がいたので狩りをしたのだろう。

ということは、群れはこちら側に渡ってくいるかもしれない。

ライオンの川渡りが撮れるかも・・・・・。

と思った直後にすでに崖を降りたメスライオンが4頭渡り始めた。

川幅は狭いが流れが早いので、けっこう良い渡りが撮れた。

あとは子供とその親が渡るはずだ。

もしかしたら小さな子どもは親にくわえられながら渡るかもしれない、と思うと急にドキドキしてきた。

そんなシーンは誰も撮っていないだろう。

絶好のチャンスと思い、期待が膨らんできたのだが、こちら側に上がってきたメスライオンが先ほどのガゼルを探し始めた。

傷をおったガゼルは確実にやられるだろう。

今回の撮影テーマの一つがライオンのハンティングだったので迷った。

親子の川渡りか、ハンティングか・・・・・。

二兎を追うもの一兎も得られず、のことわざが頭に浮かんだ。

いつもなら親子の川渡りを狙うはずだ。

撮れる確率が極めて高く、僕らしい写真になる可能性があるからだ。

しかし、ライオンの狩りを撮りたいという執着を持ったことが結果として失敗だった。

とりあえず川渡りには少し時間があるだろうから、狩りを狙うことにした。

予想外だったのは、傷ついたガゼルはライオンが近づいた時、走りだしたことだ。

すぐ倒されると思っていたが、かなり走ってブッシュの中に消えてしまった。

そこで川に戻ろう、と思って、進む途中に再びガゼルの群れに近づくライオンを発見した。

また狩りだ。

一気に走りだすライオン。

逃げ惑うガゼル。

今度は仕留めることは出来なかった。

車のすぐ脇を走っていった(こんなことも初めてだ)ので、300mmのレンズでは近すぎてまたしても撮ることが出来なかった。

時間をかなり使ってしまったので、早く川に行かなければ子供たちが渡ってしまうと焦った。

しかし、何ということだろう。

またしても狩りのシーンに出会ってしまったのだ。

震えて動けないガゼルに2頭のライオンが近づいてくるでないか。

車がすぐ横に来てもガゼルはまったく逃げれない。

まさに蛇ににらまれた蛙のようだ。

ライオンは10mくらいまで寄っている。

このガゼルも狩られてしまうだろう。

これほどのチャンスだと川に戻れないではないか。

しかし、またしても予想が外れた。

ライオンが襲いかかった時、恐怖で走れないと思ったガゼルは走りだしてブッシュの向こうに行ってしまったのである。

結局捕まってしまったが、またまた撮影できず。

その時、渡り終わった子供たちが視野に入ってきた。

ガーン、遅かった。

狩りのシーンに執着しての大失敗だった。

これは、狩りに執着するのではなく、僕らしい写真を撮れということか。

しかし、今回は狩りに焦点を絞っていたので、あきらめきれなかったのだ。

次の本のために必要なシーンと考えていたので、珍しく精神的ダメージが残った。

気持を切り換えねば・・・・・。

ライオンたちは、狩った2頭のガゼルを食べ始めた。

食後、親子のからみのシーンを撮って、ヒョウを探しに行くことにした。

しかし、探してもなかなか見つからない。

今日はヒョウを誰もみていないそうだ。

昨日狩りを失敗した場所に行ってみた。

どこかにヒョウが潜んでいて、また狩りに挑戦するかもと思ったからだ。

その場所を50頭以上のトムソンガゼルの群れが通って行くが、結局その場所にはヒョウはいなかったようだ。

その後、クラハシコウという体長150cmほどの大きくきれいな鳥のペアが食事していると頃を撮影。

小さな水溜りを巡りながら、魚や蛙などを探している。

以前、大きななまずを捕まえるシーンを撮ったことがあるので、その再現を狙ってしばらく追ってみたのだが、結局は蛙やバッタを捕まえたのみだった。

その後、川沿いの木陰で休むライオン親子を撮影して午前のサファリは終了した。

午後のサファリは3時20分から。

まずはチーター親子から。

他の車の下に入り込み(日陰を求めて)、寝ていたので写真にならない。

移動してヒョウを探しに行く。

途中、ライオン親子が寝ていた所を通る。

母親は寝ていたが、子供が起きて時々遊ぶので15分ほど撮影。

そのうち子供も寝てしまったので、ヒョウを探すことにした。

すぐに子ヒョウを発見。

すでに車が3台ほど集まって見ていた。

子ヒョウは車に慣れていないので、僕らの車が行った時には嫌そうにブッシュの中に入ってしまった。

逃げるものは追ってもだいたいが撮影できないので、母ヒョウを探すことにした。

しかし、結局母ヒョウは見ることが出来なかった。

そこで、またライオン親子の所に戻る。

それにしても子供たちは栄養状態が良く、遊ぶこと遊ぶこと。

草さえなければ撮り放題だ。

今日は光の状態は悪くなかったので、子どもが遊ぶシーンを相当数撮った。

このプライドはかなり大きく、雌が8頭、子供6頭だが、対岸にまだ成獣2頭、子供1頭いたので、雄もいれると18頭以上になる。

どうもこの川周囲をテリトリーにしているようだ。

日没はトピと狙ったが、光が強すぎてイマイチだった。