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サファリ日記 2004年2月26日

マサイマラ フィグツリーキャンプ 4日目

今日は天気が良い。

日の出は少し光が強かったが、エランドと撮ることができた。

その後ライオン親子を発見するが、草が高く撮影が出来ないので、移動することにした。

しばらくは何も見えなかったが、8時半にウォーターバックの親子を発見。

子供は生後3日でとても可愛い。

比較的警戒心が薄いので母子が触れ合うシーンを撮影することが出来た。

こんなに小さなウォーターバックの子どもを撮影できたのは初めてだ。

9時にヒョウを発見する。

深いしげみの中でインパラの子供を食べていた。

どうも今まで追っていた母ヒョウではなさそうだ。

11時に川の対岸の大きな木の上にいる親子のヒョウを発見。

今まで追っていたヒョウだ。

どうも昨晩、狩りに成功したようだ。

もう食べ終わったようだが、何を仕留めたかははっきりしなかった。

きっと小さな獲物なのだろう。

子供は1匹しかいない。

もう1匹は死んでしまったのだろうか。

母ヒョウを撮影していると、時々歯を剥き出しにして威嚇のポーズを見せる。

おかしい、と思ったら対岸(僕の車のそばに)にメスライオンがいるではないか。

母ヒョウはライオンを威嚇していたようだ。

やがてヒョウを見ていたライオンは、川を渡ってヒョウのいる木の下まで行き、ヒョウを睨み始めた。

「何か起きるか」と思って見ていたが、下に落ちていたわずかな肉をくわえて行ってしまい、何もおこらなかった。

ライオンが行ってしまったので、安心したのかヒョウは樹上で寝始めた。

子供ははじめ高く枝だらけのところにいたが、少し下に降りてきたので撮影できるようになってきたが、いかんせん光が悪い。

ドライバーは、「ヒョウはライオンを恐れているので夜まで降りてこないだろう」と言うのでロッジに戻ることにした。

午後のサファリは3時半から。

まだ母ヒョウは樹上にいたが、子供は下に降りてしまったようだ。

ドライバーの予想は違っていたようだが、降りるところを撮ってもこの場所では良い写真にならなかっただろう。

このまま待ってもしょうがないのでライオン親子の所へ移動した。

子供たちはまたも遊んでいる。

木をかじったり、とっくみあいをしたり、しっぽをかんだり、母親にじゃれかかったり。

草が多少邪魔するが、なんとか撮れた。

しばらく撮ってから周囲を一回りすることにした。

朝見つからなかったチーター親子は発見した時、寝ていて起きそうになかったので、再びヒョウのいる木に向かう。

向かう途中、母ヒョウが木から降りたとの情報を得る。

行ってみると少し離れた対岸を歩いていたが、すぐにブッシュの中に入り見えなくなってしまった。

ドライバーは、「きっとヒョウの好きなあの場所に来るだろう」と言い、根元が水で浸食されむき出しになり、根の間が絶好の隠れ場所になっている大木の所に移動した。

横は砂地で撮影するには絶好の場所だ。

しかし、待てども一向に来る気配はなかった。

その時、別の場所に出て来たとの無線情報が入った。

その場所に行くためには急斜面の崖を上り下りし、岩盤と大きな石がごろごろしている5mほどの川を渡らなければならない。

無理でも行かなければならない。

ドライバーも緊張しながら、崖を下り始めた。

何とか下ることが出来た。

しかし、川を渡るのはたいへんだった。

大きな石がごろごろしているので、ひとつずつ石を乗り越えて行く感じだ。

あたかも10cmずつ進んでいくような感じだ。

あまりにも凄い揺れに頭を強打しながら、途中で「こんな所は渡れるわけないよ」と思い始めた。

しかし、ここでは戻ることは困難なので、進むしかない。

あまりにも厳しい状況にドライバーは「あきらめるだろう」と思っていたが、こういう時のドライバーは異常な執念を燃やす。

悪戦苦闘の末、川を渡り切った時には、「きっと車が壊れただろうな」と思ったほどである。

しかし、川を渡った後も車を飛ばすドライバー。

無線情報によると子供は2匹いるらしい。

生きていたのか・・・・・。

心臓は高鳴っていく。

もう日没間近で急速に暗くなってきた。

一目拝みたいと思いつつも、写真は半ばあきらめていた。

その場所に着いたとき、すでに2台の車が止まっていた。

ヒョウのいる場所をみて、息を飲んだ。

母ヒョウの横にいつも見る雄の子供。

その後ろにもう1頭の子供がいる。

これはもう1頭と比べるとかなり小さいので、雌なのだろうか。

いったん雲に隠れた太陽がわずかに顔を出し、わずかに光が戻ってきた。

草もそれほど高くなく、グリーンで美しい。

後ろの1頭はしょうがないが、「母と雄の子どもがもっと寄ってくれないか」と祈るような気持ちだった。

その時、雄の子供は寝ていた。

しかし、日が沈む直前に起きてくれた。

間に合った。

2頭が寄り添う。

夢のようなシーンに連写、連写。

それだけで満足だったが、その時、親子のなめあいが始まった。

こんなシーンが撮れるなんて・・・・・、奇跡的だ。

少し暗かったので心配だが、グリーンバックのなかでヒョウのなめあいが撮れるなんてついているのだろう。

これも決死の覚悟で川を渡ってくれたドライバーのおかげだ。