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60回目のアフリカ取材

10日夜にタンザニアの取材旅行から帰ってきた。

今回ほど素晴らしい旅はなかった。

60回の旅で最高であった。

シーンは凄かった。

念願のライオンのシマウマハンティングの素晴らしい写真が撮れた。

ライオンの母親が子供をくわえて歩くシーンもアップで撮れた。

チーターの親子(子どもは2~3週間)もアップで撮れたし、ヒョウの親子も見た。

風景的写真でもよいのが多く、素晴らしい虹や雲バックの写真も多かった。

ゾウもよい写真が撮れたし、朝焼けのフラミンゴも神々しいのが撮れた。

しかし、それ以上に良かったのは、同行した写真家・デザイナー・音楽家の瀬尾拓慶君の撮影に接することができたことだ。

60回を契機に自分の弱点を克服するというのが今回の大きなテーマだった。

新しいスタートだと思っていた。

自分の弱点はたくさんある。

撮影技術(ふだん日本で撮っていないのであきらかに練習不足)

カメラの機能の理解不足(今まで興味がなかったし、勉強不足だった)。

超望遠で撮ることが多いので、視野が狭くなっているし、構図がパターン化されている。

画像処理に対する勉強不足。

などなど・・・・。

それでも勝負できていたのは、光に対する感受性が人より優れ、多くの素晴らしシーンに巡り合えてきたからにすぎない。

それは執念とよみの結果だと思っている。

瀬尾君は写真家になって1年。

だが基礎がまるで違う。

両親ともに美大出のサラブレット。

美大で空間デザインを学び(構図に生きている)、フォトショップを自在に操り、光に対する感受性は天性のものがあり、繊細な光を写し取るだけの才能と技術を持っていたし、そのための努力を惜しまなかった。

最初から「こいつはただ者ではない」と思っていたが、2週間撮影を共にして、彼の構図の斬新さとカメラの機能を最大限に使いこなしている技術の確かさに、自分に足りないものをみな持っていることに気づいた。

とてもよい刺激になり、僕の心に火が付いた。

瀬尾君と僕では描こうとしているものが違うので、彼と同じものは求めていないが、自分の中で足りなかった部分を補うにはどうしたらよいかの答えがほとんど見えてきた。

どれもが努力によって早晩克服できるはず。

写真が一段と面白くなってきた。

あと数年で井上の写真が変わってくるでしょう。

横浜市内のある小学校から、出張授業を頼まれた。

1~2年生が対象と聞き、「難しいです」とお答えした。

1~2年生は僕にとっては宇宙人。

どこまで分かるかまったく想像できないからだ。

ふだん小学校で出張授業を頼まれるときは、5~6年を対象に自然界のバランスをするが、それは難しすぎるだろう。

しかし、担任の先生の熱意に動かされ、受けることになった。

テーマは動物親子と群れの話。

チーター、ライオン、ヌー、ゾウの親子のエピソードや群れでの生活をスライドで紹介しながら30分の授業をおこなったが、2年生はテレビの影響なのか、動物好きの先生が普段教えているのか、その知識にびっくりした。

ほとんどの質問に答えるではないか・・・・。

みな熱心に聞いてくれたので、多少は役だったのではないか、と思っている。

終了後、1年生のエスコートで教室に行き、子どもたちが全員で僕のために劇を演じてくれた。

素晴らしい出来にちょと感動。

でも、さらに感動したのは先生の熱意だった。

実はこの学校は廃校になるらしい。

その記念に子どもたちのために何かをしたいという先生の熱い思いに胸が熱くなった。

12月には校庭に移動動物園を呼ぶらしい。