先月中学校の道徳授業で「なぜ命は大切なのか」という講演をおこなった。
先生方はこれに答えを出そうと苦慮されているが、この問いに答えはない。
大切だと思う理由は多様だし、われわれは生き物を食べることで命をつないでいる以上、「命が大切」というのはきれいごとにすぎないと言われれば反論できない。
ただ一つ言えることは、自分、そして周りの人や生き物の命が大切だと思えることは幸せなことなのだ。
それは愛し・愛されているから。
大切なのは、愛し・愛され、それが当たり前ではなく、幸せなことだと思えることなのだと思う。
事前に生徒と先生方にこの質問をして、解答を書いて送ってもらった。
その中で素晴らしい解答があったので紹介したい。
なぜ命が大切なのかは、本当のところはわからない。
それは、命の尊さを感じる場面や存在しているありがたみなどは、人それぞれだと思うから。
私は、どうして命が大切なのかはわからないが、大切にされている事はよくわかる。
人に大切に思ってもらい、その命で、うれしさや、悲しみ、色んな感情をいだくことができ、生きていける。
そう思うと、どんな命も、誰かが大切に思うことで、その大きさが増すのだと思う。
人と人がつないでいるから、大切になっていくのだと思う。
中学2年の女子が書いてくれた意見。
今までたくさんの人に問うてきたが、一番素敵な答えだった。