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アートとしての医療

9月18日、診療が終わってから東大名誉教授の島薗 進先生の講演会に出席した。

タイトルは『アートとしての医療 なぜ医療者に死生学・死生観が必要なのか』。

とても素晴らしい講演だったが、先生自身が感じている本当の方向性については、「なかなか言いにくいのだろうな」という印象を受けた。

 

生命について考え続けてきた僕には、人間のエゴの視点では、生命観も自然観も正しい方向には向かわないと思っている。

人間の視点ではなく地球の視点で、われわれの五感と脳の視点を越えて生命の本質の視点(おそらく仏教でいうところの縁起と諸行無常)でなくれば、本当の方向性は見えてこないだろう。

それをあらわしたのが、7月に出版した『マイシャと精霊の木』なのだ。

ただ、脳が創る世界観に染まっている人には、分かりにくいのかもしれない。

横浜市内のある小学校から、出張授業を頼まれた。

1~2年生が対象と聞き、「難しいです」とお答えした。

1~2年生は僕にとっては宇宙人。

どこまで分かるかまったく想像できないからだ。

ふだん小学校で出張授業を頼まれるときは、5~6年を対象に自然界のバランスをするが、それは難しすぎるだろう。

しかし、担任の先生の熱意に動かされ、受けることになった。

テーマは動物親子と群れの話。

チーター、ライオン、ヌー、ゾウの親子のエピソードや群れでの生活をスライドで紹介しながら30分の授業をおこなったが、2年生はテレビの影響なのか、動物好きの先生が普段教えているのか、その知識にびっくりした。

ほとんどの質問に答えるではないか・・・・。

みな熱心に聞いてくれたので、多少は役だったのではないか、と思っている。

終了後、1年生のエスコートで教室に行き、子どもたちが全員で僕のために劇を演じてくれた。

素晴らしい出来にちょと感動。

でも、さらに感動したのは先生の熱意だった。

実はこの学校は廃校になるらしい。

その記念に子どもたちのために何かをしたいという先生の熱い思いに胸が熱くなった。

12月には校庭に移動動物園を呼ぶらしい。